読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

奇特なブログ

「殊勝に値する行いや心掛け」を意味する、奇特な人になる為のブログです

SIは今後どうなっていくか

今回は、単なる雑感をダラダラと書いてみます。
元ネタはコチラ。

SI屋さんとSIと、直近の課題について。
http://d.hatena.ne.jp/okachimachiorz/20120311/1331467375

一旦大きな人数を抱えると、食わせる必要があるため、より大きな仕事を取る羽目になります。要は稼働させる事、それ自体が目的になります。稼働を維持させる事で、収入を確保する事ができ、確保された収入で稼働のための人員を維持できる。そもそもそういう循環をベースに組織の目的が、「結果として」形成されてしまっています。
そうですねぇ。
稼働してなかったら「待機」となって、毎月ウン十万の会社に入っていたお金が入らなくなるわけですから。
で、そのお金が入らなくなったら、
新たに人材を確保する為の採用費用(広告費とか)や、
会社の間接部門(営業や事務など)への給料や、
会社のサーバーなどの設備増強費用などが払えなくなってしまいます。
勿論、待機になった人材自身の給料も。
まぁその場合は、他の現場に入っている人材が上げた利益から払うしかないと思いますが。
とはいえ、現場に入っている人材の数が少なくなるとそうもいかなくなるので、
とにかく、「待機にさせないで現場に入れる」が最優先になってしまうでしょう。
副作用として、この時点で、どうしても顧客視点は薄くなります。稼働率優先になると、どういう価値を顧客に届けるとか?という視点が、特にマネージメントでは相対的に優先度は低くなります。これ現状では仕方のないことでしょう。良いとか悪いとか、そういう議論ではなく、組織の合目的性の維持が根っこにありますよ、という話です。
「組織の合目的性の維持」。
つまり、会社は何がなんでも潰すわけにはいかないから、
顧客価値などというカッコイイ事はどうでも良いから、とにかく現場に入れと。
現状のマネジメント層の殆どをウチが見ている限りでは。
勿論口には出しませんし、本心からは思ってもいないとは思うのですが、
こんな風に思っているんじゃないかとしか思えない現状だと思いますがね(苦笑)
特に基幹系のシステムは基本的にパッケージカスタマイズには向きません。よほどのニッチ・トップをめざした業務系パッケージならともかく、ありきたりのERP系の仕組みではまったく対応できません。理由は種々にあるので、詳細な議論は別の機会に譲るとして、結果から言うと、(これが惰性なのか、ちゃんとした検討の結果なのかはともかく、)現行のパッケージでは相当のカスタマイズが発生することが多いです。個人的な経験的にいうと、パッケージを作っている人間に業務経験が少ないというのが最大の理由だと思っています。
業務経験が少ない、なるほど。
あと、それもあるかもしれませんが、単純に顧客固有の独自仕様が多いというのもあるんじゃないですかね。
よく言われるITの35歳定年説は、見たところ体力的なものです。これは、すなわち、SIで使い倒せる体力がある年齢の上限が35歳であって、技術的な吸収力ではないと思います。(吸収力は基礎勉強性向によるので、年齢は関係ないです。)仮にこの35歳以下の年齢層が半分にもなれば、すなわち、従来のピラミッド構築型のSIはまったく回らなくなります。“労働人口構造的”にです。
ウチ的には、35歳という数値自体には特に大きな意味はないと思っていまして、
今は上記の労働人口構造的に、40歳ぐらいに上がってきているんじゃないかという感じがしています。
だからこの先は、まったく回らなくなっていくというよりは、
次は45歳とかどんどん上限が上がっていくんじゃないかなぁと。
まぁ、その結果として、どんな品質のシステムが作られるかはともかくとして(苦笑)
また、「吸収力は基礎勉強性向によるので、年齢は関係ない」については完全に同意です。
ここ4−5年のSIの失敗率は、個人的に見ている限りは異常と言わざるを得ません。人員の確保ができないため、もう猿だか、猫だかわからないような人員ですらSIの現場に突っ込まれていることが日常茶飯事になっています。というか、そうでない現場の方が少ないように思えます。
ウチ的には、ソフトウェア開発で最も差が出るのは「品質」だと思っているんですが。
例えば、ココの分類でいうと、
レベル3どころか、レベル2にすら満たないケースも多く。
また、レベル1もそう珍しくない感じで。
技術者によっては、レベル1未満なケースも時々見かけます orz
ウチが現在、業界歴3年生なので、
4〜5年前以前の品質がどんな感じだったのかが分からないのですが。
少なくても、ウチが現在行っている現場の品質は、上記の様な感じですって終わってるじゃねぇか orz
特に現場から距離のある経営陣や部長以上の経営的中間管理職には、どうしても、その意識が薄くなってしまうということです。こと最近でいうと、クラウドやなんやらで、SIはどうかわるかという議論は、情報誌・雑誌・果てはイベントや、その手の座談会で良く聞きますが、下支えのSIの産業構造の崩壊に対する自覚はまったくないのは、よく観察されるところです。
ですねぇ、ですねぇ、ですねぇ。
下請けSIの経営・管理系や情報収集力の乏しい現場の人間は、
こんな実情は全く知らないと思います。
まぁ彼ら的には、諸行「有」常なのでしょう(苦笑)
偉い人「代わりはいないのか?」
PM「居ませんよ。」
偉い人「いや、エースの代わりじゃなくて、普通でいいんだけど。
設計出来て、そこそこ実装できて、普通にテストかければいい。
インフラはもう知らなくてもいいから」
PM「・・・それエースって言うんですよ。知ってます?」
偉い人「まじで?」
PM「まじで。」
偉い人「いないの?」
PM「絶無・皆無(目線は遠くへ。かなり遠く。」

...これが現実ですね。クラウドでSIが変わる?いや変わるべきSIがもう成立していません。

居ないですねぇ、エース。
優秀な人材は、Web業界に行ってしまったとかも関係あるんでしょうかね?
いや、そもそも本当に、優秀な人材がWeb業界に行ったかどうかが分からないのですが。
さすがに、ゼロではないとは思いますけど。
かっちりモノをつくるという風潮が駄目よ、という流れも加速していることです。本来アジャイルや、Web系、Rubyを含めたLL系スクリプト系は、勝手気ままに思いつきで作るということとは違うはずです。残念ながら同じコンテクストになってしまっていますね。
実は、ココが一番興味があったんですが。
これは、「ウォーターフォールなんて時代遅れだ!これからはアジャイルだ!」みたく言うエンジニアもどきが、
アジャイルの上っ面だけを知ったかぶりして、
ロクに要件や設計を考えないで実装した結果、
普通にウォーターフォールで作った時「よりも」、品質が「下がってしまう」というケースの事ですかね?
アジャイルでは無かったですが、
過去に「理解不足のまま新技術を導入」して、
結果として大失敗は防げたものの、
結構デスマーチになったPJがありましたので(苦笑)
ここは、まだ検証不足ではありますが、
多分、中途半端な理解でアジャイルをするよりは、
まだウォーターフォールの方が品質はマシになるんじゃないかなぁと、ボンヤリと思ってます。
だって、アジャイルの方が難しいと思いますし。
勿論、ウォーターフォールだと。
プロジェクト開始前に「水も漏らさぬ完璧な要求」と、
「変更などあり得ない完全な仕様」が存在している事が前提にはなり、
それはビジネスの流れに合わせられない事が多いという課題はあるわけですけど。
昔のリソース制限化では、自然にハードウェアの制限がかかって、無茶はできず、大崩壊する前に歯止めがかかったのですが、現在では「多少無茶でも動いてしまう」ということがあるため、とりあえずやっつけろ!という方向に走りがちです。設計していないのに実装するとか、普通に考えればないはずなのですが、普通にあります。
う〜ん、まぁ確かにハードの進化が止まらないが「故に」、
メモリ使用量とかに配慮したコードが書けなくなってきている部分も大きそうですね。
そういえば、先日ウチが書いた値渡しと参照渡しの速度比較の内容も、
結局メモリの使い方に問題があって起きる事象でしたし。
稼働率優先のビジネスをまずは完全にギブアップする。これは相当ハードルが高いです。少数の人間でも一定のSIが回る仕組みを構築し、同時に相当な額の一時的な(あるいは恒久的な)売上減を前提とした上で全体の計画を立て直して、人繰りに依存しない組織立て、道具立てを準備していく必要があります。
まぁ、これを真面目に実践すると、
少なくても80%以上のシステム会社やその中の人達は、全員さようならになると思いますけど。
だって、「少数の人間でも一定のSIが回る仕組み」って、
その人間達のスキルが高くないと出来ないでしょ。
じゃあ、そうする為には教育を施す必要があると思いますが、
まず、まともに教えられる人がいるのかという問題と、
また、教わる人々がちゃんと取り組むのかという問題があると思います。
で、現状を見るに・・・どっちも期待出来ないんじゃないかと(苦笑)
SI屋が自壊することで、困るのはむしろSI屋ではなく、適切なSIが提供されないことにより、あたかもメンテ不能な原発のような、システムを抱えるエンドユーザーさんになります。
未来を予想するのは難しいですけど、
ウチは何だかんだいっても、
エンドユーザーさんが優秀な技術者を自社に囲い込む可能性が高いと思いますね。
もしくは、極めて少数の優秀なSlerに仕事を依頼するか。
勿論お金はかかるけれども、メンテ不能なシステムを抱え込むよりは、
金額的に比較は出来ませんが、メリットは大きくはないのですかね。
で一方で、何も舵を取らないエンドユーザーさんは、
ここまで書いてきたようなダメダメSlerに仕事を依頼し続け、
増々ダメになっていくという二極化が進むのではないかと。

雑感はここまでで、最後にじゃあ今Slerに所属している技術者達はどうすれば良いのかですが、
ありきたりですが、「基礎力がある為、応用の利く、替えの利きにくい技術者になればよい」と思います。
で、その為には、新しい技術だけでなく古い技術も学んで基礎力を付けたり、
師匠(メンター)を探して、効率的に学習するしかないのではないでしょうかね。