奇特なブログ

「殊勝に値する行いや心掛け」を意味する、奇特な人になる為のブログです

出来ると出来ないの壁が数値化により壊れる

先に書いておきますが、これは「ダメダメマネジメント」話です。
といっても、真っ当と思われる締めですけど。

では、一例を。
難易度高の画面A(画面の無い機能AとかでもOK)がありました。
画面Aは仕様的に、実装が技術的に不可能では「なさそう(ココ重要)」だけど難しい画面です。

もう一方は、画面B〜Kがあり、それぞれの画面の難易度が全て、
上記の画面Aに比べて、十分の一と見積もられました。
見積もり手法がどうなのかの議論もあると思いますが、
ここでは「少なくても悪くはない手法」とします。
少なくても、LOC法では「ない」。
で、画面B〜Kのイメージとしては。
一つの画面の実装も簡単に加え、
一つが出来たら、他の画面も大半はコピペで作れそうな感じです。

次に、ある2人の技術者がいます。
技術者Aは、業界経験年数はともかく、スキル的には「中級」で、
技術者Bは、業界経験年数はともかく(しつこいw)、スキル的には「新人」です。
働いてほしい時間は、当然ですが同一です。

さて、ここで貴方ならどの様な担当割りを考えるでしょうか?
難易度が十分の一だから、どっちがどっちを担当しても「同じ」だと思いますか?

このシチュエーションは、実装の担当者を決める段階なので、
当然ながら、実装は未着手です。
なので、見積もりは確かに悪くはないのですが、
「不透明な部分」も当然あるわけです。
で、難易度の高い画面で往々にしてあるのが、

「この機能、こうすれば実装出来るはず」

「出来ない」

「ああすれば実装出来るはず」

「出来たけど、速度が遅いとか別の問題が発生」

「じゃあ、こうすれば」

みたいな、思い通りになかなか進まないってケース。
上記の「不透明な部分」がまさにコレ。
勿論、画面B〜Kでも発生する可能性はありますが、
でも、簡単であれば簡単であるほど、
「予想」とか「見通し」とかって立てやすいじゃないですか。

で、そんな事を考えると。
これまでの経験で身に付けた問題解決能力を活かせる、中級技術者Aを画面Aの担当にして。
新人技術者Bには、誰がやってもかかる時間がそんなに変わらない画面B〜Kの担当にするのが、
比較的安全なマネジメントなんじゃないのでしょうか。

まあ、技術者のスキル評価を「業界経験年数とか資格の有無とかコミュニケーション能力とか」でしている様な人達には、
分からないかもしれませんけど。

しかしコレ、難易度を十分の一と「数値化」したことで、
難易度が同じぐらいに見えるというトリックというか罠というか。
まあ、数値化してはいけないというわけではないのですが。
数値化したことで、上記の「不透明な部分」とかが失われている事に、注意しなきゃいけないって事だと思います。

参考:
質に関する質問